残クレ完済後の車検証の所有者の名義変更
自動車を購入する方法の1つとして、メーカーやディーラーごとに「残価設定型プラン」や「残価設定型クレジット」など様々な名前が使われていますが、いわゆる「残クレ」がよく利用されています。
残クレで購入する場合は、全額を自動車ローンにした場合に比べ、金利の利率が低めになったり、毎月の返済額が抑えられたり、とおいしいところばかりに聞こえるのですが、実際のところはどうでしょうか。
具体的に完済までの支出額を計算すると、トータルで支払う金額は残クレのほうが多くなるケースが多いと思われます。
これは、金額や期間を同じで考えた場合に、残クレは自動車ローンに比べて元本の減りが遅く、先に設定した「残価設定」分については購入時から契約期間満了までの間ずっと利息を払い続けることになるからです。
トータルの支払金額だけを考えると残クレを選ばなくなりそうですが、なかなか手が届きにくい車種にも手が届くようになりますので、自動車生活の楽しめる幅が広がることでメリットが大きく、選ばれる方が多いのだと思います。
残クレを利用した場合、車の車検証の「所有者の氏名又は名称」の欄は、ディーラーやファイナンス会社の名前が表示されます。
これは、使用者に車を自由に処分されてしまっては、ディーラーやファイナンス会社が困るため、車の所有権を留保したままにしています。
(私はそうでしたが、車購入後に車検証を見るごとに所有者がディーラーになっていることで、契約期間満了時の走行距離制限や、傷などが気になってしまって、小さな子どもが元気で容赦なく乗ってくれますので、気を付けていると車の活用に不自由さを感じて、やっぱり早く自分の車にしてしまいたいな!と思いました。)
そこで、残クレは繰上げ返済して、完済予定時期から前倒しで完済することもできます。
前倒しで完済を希望する場合は、ファイナンス会社に相談して繰上げ返済の手続きをする必要があります。
完済できた後は、車検証の所有者がディーラーやファイナンス会社になったままなので、所有権留保を解除する必要があります。
所有権留保を解除せずに放置することも可能ですが、その場合は将来の車の売買や譲渡、相続手続きなどで車を自由に処分することができず、その前には必ずこの手続きが必要になりますので面倒です。
(ディーラーの統廃合も昨今よくありえますので、複雑になってしまう前に、どのみちやらなければならないことはなるべく早めに手続きをしておいて損はないと思います。)
完済後に所有権留保を解除するには、ディーラーやファイナンス会社に連絡して、
(例)
・所有権留保解除依頼書
・完済してクレジット契約が終了したことを証する書類(完済証明書など)
・印鑑証明書
・車検証のコピー
(車検証と住所や商号などが異なっている場合)
・住民票謄(抄)本
・商業登記簿謄(抄)本
などを提出することで、自動車を名義変更するために必要な書類(印鑑証明書や委任状など)を取り寄せることができます。
それらの書類を入手できたら、運輸支局や自動車検査登録所で自動車の移転登録を行うことになります。
これはディーラーで車検証の名義変更までやってくれるところもあれば、自分でやらなければいけないところもあります。
自分でやらなければならない場合にお困りの際は、弊所でもお取り扱いしておりますのでご相談ください。
