多額の負債がある時の相続放棄
相続の順位
相続の順位は次のようになっています。
<配偶者>
配偶者は常に相続人になります。
<第1順位>
被相続人の子(亡くなっている場合は孫なども代襲相続が可能)
<第2順位>
被相続人の父母(亡くなっている場合はその直系尊属)
<第3順位>
被相続人の兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪のみ代襲相続が可能)
先順位者が相続放棄すると、後順位者が繰り上がって相続人になります。
相続放棄
相続放棄するには、「相続の開始があったことを知った日から3か月以内」に家庭裁判所にその旨の申述が必要です。
3か月ということで、四十九日以降に動き出すと、あまり時間的余裕はありません。
もし多額の借入れや保証債務があり、それをカバーできるだけの資産が残されておらず、相続放棄を選ばれる場合、相続の後順位者になる親族へも相談や連絡をしておくなどの配慮が必要と思われます。
理由は、上述のとおり先順位者が放棄すると後順位者が相続人になります。
後順位者も多額の借入れや保証債務を負うことになるのは嫌がるかもしれません。
先順位者が放棄したとなると、債権者は後順位者のところに請求するようになるでしょう。
後順位者が、先順位者の相続放棄を知らなかった場合、突然請求がくると驚かれると思いますので、先順位者は放棄する旨を後順位者に伝えておいたほうがいいでしょう。
後順位者は(先順位者が放棄したことで自分に)「相続の開始があったことを知った日から3か月以内」に相続放棄の申し出をすれば間に合います。
後順位者の親族を思いやり、早い段階から後順位者も含めて放棄について相談しておくことで、親族関係をその後も良好に維持できるかもしれません。